
【体験談】1泊2日の高知ひとり旅をしたら、ものすごくポジティブになれた話
と自称する県が存在することを
アナタは知っていますか?
ポジティブな人は強い。どんな逆境でも前向きに考えられる人ほど、大成しやすいんじゃないだろうか。
▲地獄もハッピー!
日本には「我こそが日本一ポジティブ!」と自称する県がある。そう、高知県だ。どういうこと?と思うだろう。残念ながら、本当にポジティブなのだ。
高知を旅することで実際に「ポジティブ」を体感した筆者が、1泊2日のレポートをできるだけ「ポジティブ」にお届けする。
◆【1日目・朝】「高知ひとり旅」のはじまり
▲高知出身者におすすめを聞いて巡ったポジティブスポットのマップ。
ピンク:この記事で紹介するポジティブスポット
ブルー:みんなにおすすめしてもらったポジティブスポット
土曜日の午前中に高知に到着し、日曜の夕方の便で東京に帰る。そんな弾丸ツアーでも高知を満喫できたモデルルートがこちら。
ポジティブにどうぞ!
◆【1日目・昼】帯屋町商店街でド迫力バーガーランチ
まずはランチから! 高知市在住の女の子におすすめしてもらったのが、帯屋町商店街のカドにある名物バーガー店「 5019 PREMIUM FACTORY(ゴーイングプレミアムファクトリー)」。
▲高知でハンバーガー?と思っていたら、すごいのが来た。
で、でかい……! 名物メニューの「龍馬バーガー(ポテト&ドリンク付き1,000円)」。人生で初めて「Oh my God…」と漏れた、圧倒的ボリューム。
「料理は引き算」に真っ向から立ち向かう、100%足し算のポジティブさ!
▲影の薄いメンバーがいない、良いチームだ。
戸惑っていると、可愛い店員さんが笑顔で食べ方を教えてくれた。慣れない土地、慣れない巨大バーガーだからこそ、人の温かさがしみる。
そして意を決してかぶりつくと、うっまい!
ピーマン、茄子、カツオフレークなど高知の食材がふんだんに詰め込まれていて、それぞれのキャラ立ちに「茄子うまっ! トマトあまっ!」といちいち驚いてしまう。
◆【1日目・昼】高知市内をぶらぶらして腹を空かす
とはいえ、バーガーで満腹になっていてはいけない。高知は何を食べても美味しい魅惑シティ。お腹を空かせるために、「高知県立文学館」を訪ねてみた。
▲ひとり旅だから、好きなだけ眺めていられる。
商店街から徒歩圏内の上、常設展360円という良心価格。元を取ろうとして眺めていると、どんどん知的になっていく。
しかも「あちらにロッカーがありますよ」「今月の企画展は○○ですよ」と、優しさのアナウンスが至れり尽くせりで、高知県民のポジティブに面食らう。おもてなしの心がハンパじゃない……性善説を信じたくなる。
◆【1日目・夕】ひろめ市場でイケメン店員を発見
▲ポジティブのたまり場なのか、人がどんどん吸い込まれていく。
優しさに触れ、小腹が空いてきたので、「ひろめ市場」へ。
高知のうまい肴と酒が集まる、飲んべえ垂涎のフードコートみたいな楽園だ。しかし、そんなハードボイルド・ワンダーランドにイケメン店員がひそんでいることをご存知だろうか?
▲まずは遠目に。
お、オシャー!
恵比寿かな?と目を疑うこちらは、立ち飲みスペースの一角を担う「KITCHENバルメシ」。アヒージョやラタトゥイユといった世界の居酒屋メシを、高知の食材で提供している。
▲土佐鴨のアヒージョ。ワインが死ぬほどすすむ。
▲左:中西さん、右:矢野さん。スマイルいただきました。
高知弁で「いごっそう」という言葉がある。頑固でブレない、信念のある男という意味があるらしい。
東京で働いていたこともあるという、矢野さん。
ほかの地を知った上で高知を選び、尊敬する社長に付いていくポジティブさに「いごっそうですね!」と言うと、「いや、まだまだ……社長に及ばないです」と照れ笑いをしていた。師弟愛に萌えみを感じて、酒がうまい。
ちなみに左の中西さんは3年ぐらい恋人がいないらしい。これはすごいことで、つまり、「行きつけのバーの店員さんといい感じになる」という妄想が叶う可能性があるのだ。3次元なのに。すごい!
矢野さんおすすめポジティブ高知グルメ:かつおの塩たたき。
中西さんおすすめポジティブ高知グルメ:だくだく梅酒。美味しすぎてすぐ飲んでしまうから、お祝いのときにしか買わないらしい。(でも調べてみたら兵庫のお酒だった)
◆【1日目・夜】地元民が愛する居酒屋「葉牡丹」へ
イケメン店員ふたりに癒されて、二軒目へ。
▲店の佇まいから「うまい」と分かる。
地元民が朝11時から夜23時まで足繁く通うという居酒屋「葉牡丹」。
高知県民に店が空いている時間を聞いてみたら「空いているのを見たことがない」と言われた。ないの?
▲サクッと串フライと、さっぱりホルモン煮込み。
串フライ盛り合わせ287円で、ホルモン煮込み173円。安ウマすぎる。地元民は、ホルモン煮込みをひとり一つ頼むこともあるらしい。
そして店員さんがとにかく元気。ここは飲んべえの聖地、食うか食われるかの戦争はポジティブじゃないと生き残れないのだ。
◆【1日目・夜】途中でコインスナックに出会う
▲「こんな機械に食べもの入ってんの!?」という驚きと喜び。
ゲストハウスに向かう途中で「コインスナックプラザ」を見つけてしまった。フード自販機は人を狂わせる。
ちょうど補充のおじさんが来たのでおすすめをきいてみたら、ギョッとされたのち「なんでも、うめえんじゃねえの?」とポジティブに言われた。
▲ラーメン250円。
確かにそうだ。
酔っ払っていたので味はあまり覚えていないが、こういうのは味がどうとかそういう話ではない。その空間が大事なのだ。補充のおじさんは間違っていなかった。
◆【1日目・夜】ゲストハウスに着くと、寿司が来た
▲突然の寿司
そして「 かつおゲストハウス」に帰宅。
そのまま居間でゲストハウスのスタッフやお客さんと飲み始めると、オーナーのお父さんがポジティブに寿司を持ってやってきた。
なぜ「オーナーのお父さん」という、ほぼ他人とコタツを囲んでいるのか。それはここが高知だからだ。
▲お父さんにおすすめスポットを教えてもらう風のポーズ。
高知では酒が飲めると「初孫が歩いた」レベルで喜んでもらえる。世界の共通言語は笑顔ではなく酒なのだ。
初対面にも関わらず全員すぐに打ち解けて、「その子の写真を見せろ」などの恋バナに興じた。そして気づいたら朝4時だった。
お父さんおすすめポジティブ高知グルメ:屋台安兵衛の餃子。
スタッフえりさんのおすすめポジティブ高知グルメ:林のヤモリ、浪漫亭、おおい。酒が好きで高知に移住してきたので、飲み屋にやたらと詳しい。
◆【2日目・朝】「かつおゲストハウス」にサヨナラ
▲「かつおゲストハウス」の入り口。
朝日がまぶしい。
オーナーの旦那さんが「盛って書いてね」と言いながら、見送りに来てくれた。ひとりで来ても、ひとりであることを忘れさせてくれるゲストハウス。ありがとう!
▲個室「かつおルーム」。半紙にカツオが!
▲オーナーのマキさん。かつおゲストハウスのドン。
◆【2日目・朝】風呂浴びて、朝ごはん
▲飾らない外観に好感が持てる。
眠気を覚ますため、朝風呂に。
「かつおゲストハウス」から歩いて10分のところに、「 高知ぽかぽか温泉」があり、大人690円でさまざまな風呂を堪能できる。バブルバスはもちろん、露天風呂や水風呂、塩サウナなどもあって、スーパー銭湯のフルコース!
さっぱりしたら、高知の老舗喫茶「デポー」で朝ごはん。
▲「デポー」京町店のホットサンドモーニング580円。
素晴らしい、このボリューム!
なかでも注目すべきは紅茶の後ろにひそむ、味噌汁。
朝食バイキングのとき「おかゆでウインナーを食べる」ような優柔不断にも高知は優しいのだ。
そしてこの日は満席。高知県民が元気なのは、朝からガッツリとモーニングを食べているからかもしれない。まさにポジティブモーニング。
◆【2日目・昼】「MY遊バス」ですこし遠出を
「MY遊バス」チケットを使うと、大人1,000円で1日JR高知駅〜桂浜のバスが乗り放題になる。それを使って、五台山展望台までやってきた。
▲全面ガラス張りで、高知の自然が迫りくる勢い。
ここには「パ・ノ・ラ・マ」という絶景カフェがあり、五台山から街を見渡しながらランチやディナーを楽しむことができる。
▲五台山スープカレー850円。二日酔いに染みる。
◆【2日目・昼】桂浜で「日本の夜明け」を感じる
▲桂浜。透きとおる!
さらに「MY遊バス」を使って、五台山の先にある桂浜へ。めちゃくちゃ鮮やかな大海原に「日本の夜明けぜよ……」と心の龍馬が言う。
龍馬といえば、桂浜にある「坂本龍馬記念館」新館で、春から「志国 幕末維新博」のさまざまな企画展が開催されるらしい。歴女ならそこでもポジティブを補給できそうだ。
▲アイスクリン200円。バナナみたいな味がする。
高知駅から桂浜まではバスで30分ほど。しかも1時間に1本だったりするので乗り遅れると惨事だが、どのバスに乗ればいいか迷ったら運転手さんに聞くと快く答えてくれる。
どこまでもおもてなしの心が強く、観光客に優しい街、それが高知。
◆【2日目・夕】最後はまた「ひろめ市場」で
▲地元のお兄さんがおすすめしてくれた「やいろ亭」。
そして中心市街地に戻り、またポジティブの集合場所である「ひろめ市場」へ。その中でも地元民におすすめされた、カツオの名店「やいろ亭」に足を運ぶ。
そしてこの「やいろ亭」には、高知で言うところの「はちきん美女」がいた。
▲「やいろ亭」の女将さん。
【はちきん】 4人の男性を手玉に取るほどの女傑を意味する。その威勢の良さには、いごっそうもかなわない。「なんで『はちきん』なの?」は、お近くの高知男子に聞いてほしい。
これだけの人気店を切り盛りする手腕。まさに「はちきん美女」に違いない。
話を聞くと、「はちきんねえ〜昔は色々あったけどねえ(笑) 高知は女性が強い県やしねえ」と濁す。能ある鷹は爪を隠すパターンだ。
「お酒はまあ、たしなむ程度に」などと言うが、高知で言う「たしなむ」は「四万十川ぐらい飲み干せる」ということである。(諸説あり)
▲カツオのわら焼き塩タタキ1,250円。むちゃうまい。
最後に、高知の良いところを聞いた。
「そうやねえ、高知は所得が低いし、高齢者も多いけど、ヤなことみんな飲んで忘れよう!ゆうところかねえ」(ものすごく笑顔で)
なんてこった。高田馬場駅前のロータリーで酔いつぶれている学生と同じ発想だった。
それなのにどうだろう、このポジティブさは! 思わず「確かに」と全力でうなずいてしまった。女将さんの人柄に触れ、高知がどうしてこんなにポジティブなのか分かった気がする。
女将さんのおすすめポジティブ高知グルメ:お魚。
◆そして、高知のポジティブさを全国各地で味わえる動画が登場!
こうして、高知ひとり旅は終わりを迎えた。
単身で高知に乗り込み、たった2日間なのに言葉を交わしたのはざっと3、40人。一緒にお酒をたしなんでくれたゲストハウスの人も、快く取材許可を出してくれたお店の人も、バスのおっちゃんも、高知で出会った人はみんな明るくて優しかった。
そのポジティブさ、皆さんにも味わっていただきたい!
ということで、ご紹介するのはこちら。
高知の明るさ、たくましさを伝えるべく制作された「ポジティブ動画」。清流の河原や古民家、帯屋町商店街などの高知を象徴するポジティブスポットで、地元の人々が歌っている。
とにかくたくさんの人が出て、とにかくめちゃくちゃ笑顔。しかもそれが誇張ではなく、実際の高知で感じた印象そのままなのだ。あーそうだ、こんな感じだった、と動画を見て思う。
「高知に行きたい!」と思っても、時間やお金の都合でそう簡単には行けない。そんなとき、元気のカタマリのようなこの動画がポジティブのおすそ分けをしてくれる。