2017.9.26

これ以上、私たちは仲良くなることができない。
寂しさに耐えられない瞬間

ひとりより誰かといる時。
どうしようもなくさみしくなるのはなぜだろう。

ひとりであることに、寂しさや恐ろしさを感じる瞬間

吉野家 by Pixabay

私には「寂しい」と思う瞬間が、人よりも極端に少ないんじゃないかと思っている。
一人で好き勝手に行動し、なんでもできるようになってくると、寂しさや孤独がだんだんと感じられなくなる。鈍感になる、と言ってもいいかも。一人でいることが当たり前になると、誰かといることによる気疲れが胸の内でどんどん膨らんで、プラスに向いていた気持ちをどこかに吹き飛ばしてしまう。
「寂しさを感じられる人は、誰かと一緒にいる楽しさを知っている人だ」みたいな言葉があるけれど、本当にその通りだと思う。私が身をもって、実感している。

 最近の私は、ほとんど一人で過ごしている。趣味である映画鑑賞も旅行も、思い立った時にフラッと立ち寄ることが習慣になった。人と会うのはお酒の席くらい。まあ、元々飲酒が好きだから、お酒を飲むついでに誰かに会う機会も異常に多かったりするんだけど……。
今の生活サイクルは、自分的にかなり気に入っている。誰にも左右されず、好き勝手にできるのはそこそこ幸せなんじゃないかと思っている。他の人と比較するとつまらないだろうけど、自分が選んだ道だし、まあ、いいかな。

 でも、今のそれなりに満足いく生活の中でも、どうしても寂しさに耐えられなくなる瞬間がある。誰かとお酒を飲んで、少し酔っ払いながら終電に乗って、ぼーっと窓の外を見ながら帰路に着く。あの瞬間だけは、私がひとりであること、孤独であることに恐ろしさを感じて、どうしようもなくなる。

 誰かに話す訳にもいかず、いつも心の中で「死にたい、死にたい」とまじないのように唱える。体の中からひんやりとした感覚が襲う。そういった感覚から離れられなくなってしまうのは、大抵とても楽しい時間を過ごせたときだ。
ある程度、心を開いている友人と美味しい酒を飲みながら近況報告をし、グラスの空き具合に比例して話が弾む。お酒を飲み、ゲラゲラ笑い、無敵になれる時間が過ぎると、先ほどまでのポジティブな感情が一気に引いていく。心や精神状態の均衡を保とうとするのか、もの寂しさがどっと私を襲うのだった。

私たちはもう、これ以上は仲良くなれない

なんで、寂しく感じてしまうのかなんて、とうに分かっていた。だって、私たちは今の関係を維持したまま、これ以上仲良くなることなんてできないじゃないか、と思うから。
女友達は、これからきっと恋人ができたり別れたりする。そして、そのうち結婚して子どもをもうけるんだと思う。私より大切なものをどんどん作っていく。今の関係が最大だろうと思う。

 男友達なんてもっと最悪だ。今後もっと仲良くなるためには、今の友達関係を崩して、恋人同士になるしかないから。それに、友達同士でい続けることすら、なかなか難しかったりする。
友達のままの関係を維持しようと思うと、そのうち彼女を作り、私という邪魔な女は排除されるのだ。結婚したらしたで、必要なくなるんだと思う。女友達、みたいな役割が。一番の親友が、お嫁さんになる(べき)だから。

 友達だけではなくて、人間関係なんていつ崩れてしまうのか分からない。気が付いた時には大体手遅れで、どうにもならないことが多すぎる。
今はたまに連絡を取って、こうして顔を見合わせて、一つのお皿に乗せられた料理を突き合うような仲だったとしても、近い将来お互いにどうでもよくなってしまって、他人以下の関係に戻ってしまうことだって、大いにあり得ることだ。

 考えすぎかもしれない。でも、私からすると、ひとりでいることよりも、誰かと一緒にいることの方が、ずっとずっと寂しいと感じてしまう。ふとひとりになった瞬間、いつもと同じように過ぎていく未来のなさみたいなものをぼーっと考えている。

Text/あたそ

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