2017.10.24

私たちには時間がない!
「誰かを誘いたい」のに気が引ける理由

誘いたい、だけど面倒くささが勝ってしまう。
本当にしたいことをするだけでも
私たちには時間がないのだから。

「誰かを誘いたい」欲求に駆られるとき

あたそ「ひとり遊び日記」 by Ben White

私だって、誰かを誘いたい時もある。

 大体のことはなんだって一人でできるつもりでいるし、ほとんど抵抗はない。
というか、何かやりたいことがあったとした場合、自分の趣味に合う人をリストアップして、その中で仲のよさを考えた上で、興味を持ってもらえるかどうか、断られないかどうか、休みが合うかどうか判断する…。人を誘う上で考えなければならないことが多すぎて、一人でいる不安(ほぼない)よりも、誰かを誘う際の面倒臭さがどうしても勝ってしまう。

「誰かいたら楽しいのかもしれないけど、まあ一人でもいいか」という結論にいつも至る。結局は、連絡無精なんだろうと思う。「誰かを誘いたい!」と思っても、実行に移されることは滅多になかった。

 この「誰かを誘いたい!」という欲求が私の中で沸々とわいてくる時には、2パターンある。
ひとつは、「一人で平気なままでは、多分ヤバい!」と、なんとなく孤独死や老後の孤立へと地続きになっているような焦りを感じる時。
何かキッカケがある訳ではないけれど、湯船に浸かりながらただボーッとしている時とか、真夜中になかなか寝付けない時とか。思い付いたように、ふと感じることがある。
「このままでは、絶対に駄目だ! ひとりで死んでいくことになるかもしれない」という確信みたいな思いが、だんだんと焦りに変わっていく。

 しかし、単純な性格をしているからなのか、眠りについて、夜が明ければ、そんなどうしようもない焦りが頭の中からサッと消え、いつも通り生活に戻っていく。
相変わらず一人でいても平気で、全然寂しいとも思わなくて、「ずっと一人でいても寂しいとすら思わないのは、やっぱり駄目なんじゃないか? 自分は、何か感情が欠けているのでは…?」「でも、寂しいと思えるようになるには、何から始めればいいんだ…」と、考えが頭の中を巡る。
この行きつく先のない焦りは、もう一種の病気みたいなもので、昔からずっと感じている。どうしようもない。多分、今後も私の中で戦っていかなければならない感情のひとつなんだと思う。

限られた時間の中で、
誰かを犠牲にするなんてできない

もうひとつは、「これは、誰かと共有した方が一人よりもずっと楽しいんじゃないか!?」と思い付いた時。この場合が、なかなか厄介なんじゃないかと最近になってから余計に考えるようになった。

 誰かと共有しても楽しいかもしれないことのひとつとして挙げられるのが、旅行だ。
私は大学時代から海外旅行が好きで、社会人になった今でも趣味の一つとして継続している。というか、実はこの原稿もインドの北部・レ―という土地で執筆している。泥まみれの状態でヒッチハイクをしながら移動をしたり、現地人と同じ食事を取りながら会話を楽しんだりするのも好きだ。
でも、仲のいい友達と少し高めのホテルに泊まって、ちょっとロマンチックなバーでカクテルを楽しんで、ああだのこうだの言いながら観光地を巡るのも、きっと同じくらい楽しい。

 今年の年末はどこで過ごそうか考えた時、誰か親しい友達と一緒であれば絶対に楽しいだろう、とふと思った。0時ぴったりの花火を見て、初詣をして、お酒を片手に何かしら美味しいご飯を食べる。現地の習慣にならった新年の祝い方をしてもいいかもしれない。最高じゃないか! いい2018年を迎えられそうな気がした。具体的なことは何も考えていなかったけれど、妄想に妄想が進み、勝手に私の気持ちを盛り上げていたのだった。

 …と、折角気分が盛り上がっていたのに、誰かを誘うための壁にガンガンぶち当たっていく。さらに困ったことに、社会人になると時間やお金の使い方が人と合わなくなってくる。旅行なんて誘えたもんじゃない。銀行員やサービス業の友人は休みが合わないし、休みのスケジュールが同じ友人は年末年始に合わせてきっと田舎に帰るだろう。あの人は話をする分には面白いけれど、趣味が全く合わない。あの子と一緒に旅行をするのはなんか違う気がするし、あいつはいつも忙しそう……と考えていくと、全然気軽に誘えない。

 私がまだ大学生だった頃、「学生時代は時間があってお金がないけれど、社会人になるとお金があっても時間がないよ」と言われたことがある。当時は、「ふーん」くらいの感覚で適当に聞き流していたけれど、その言葉の意味がようやくわかるようになってきた。

 社会人になって生活の大部分を働くことに費やさなければならない。自分が自由に使える時間なんて、本当にわずかしかないのかもしれない。その限られた時間の中で、できること・やりたいこと・やらなければならないことは限られてくる。
大人になると、どんどん選択肢も増えていくし、他人に迷惑をかけなければ自分ひとりでなんだってできる。だからこそ、自分が本当にしたいことしかしなくなるし、他の人の価値観も大切にするべきなんだと思う。無理矢理付き合わせてしまうのも悪いし。

 と、考えていると、やっぱり「まあ、ひとりでいいか」という結論に至って、私の単独行動に拍車をかけてしまっている気がする。


Text/あたそ

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