2017.10.27

懐かしくて甘い記憶。
洋菓子店の包装紙、東郷青児の絵に
思いを馳せる

洋菓子店の包装紙に注目したことはありますか?
東郷青児の作品はとても美しく、
今も多くの人に愛されています。

幼い頃の思い出に直結しているからでしょうか。馴染みのある洋菓子店の包装紙を見ると、懐かしい気持ちとともに幸せな記憶がふわりとよみがえってくる気がします。ロマンチックで素敵なデザインのものが多いのですが、中のお菓子がメインのため、すぐに捨てられてしまうことも多い儚さ。

 洋菓子を大切に包むその包装紙の美しさに気を留めるようになったのは、おそらく「美人画」で有名な東郷青児のイラストがきっかけでした。

緑背景の女

例えば、今は無き吉祥寺の「ボア」では、2007年の閉店間際に東郷イラストの包装紙や店名の入った皿、当時の制服や伝票を、ボアを愛した人たちに販売していました。色々と買い求めたので、今も時折取り出してはうっとりと眺めています。

 また、現在も営業している、青い光が室内を灯す幻想的な京都の「ソワレ」では、自分への土産に東郷イラストの入ったオリジナルタンブラーを購入したのですが、自宅でも純喫茶気分を味わえるので重宝していますし、季節によって絵柄が変わるショップカードもついつい集めてしまいます。

 東京では、池袋駅前にビルを構え、手土産に喜ばれるアーモンドチュイルが有名な洋菓子とパンの「タカセ」、早い時間に売切れてしまうことも多いスワンシュークリームが人気の駒込駅前の「アルプス」、モンブラン発祥の地と言われ、店内にも多数の東郷の絵を眺めながら喫茶出来る自由が丘の「モンブラン」、私はまだ訪れていないのですが、久我原にある洋菓子の「フラマリオン」でも東郷イラストの包装紙を使用しています。

クッキーとマッチ

物心ついた頃からぼんやりと好きだった東郷青児のイラストは、大人になってからさらに意識するようになり、出会えるととても嬉しく、しわを伸ばして大切に保管しています。

女と女

「生誕120周年東郷青児展」で
美しい作品の数々を

ひょんなご縁から、現在、新宿「東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館」で開催中の「生誕120周年東郷青児展」(2017.11.12(日)まで)招待券を美術館の方から頂いたので先日拝見してきました。

 ずっと気になっていながらも未訪問だった場所。エレベーターで42階へ上がり、ひんやりとした空間の中で見る絵は、想像以上に迫力があるものでした。特徴である色の濃淡の美しさから目が離せなかったり、包装紙などに代表される美人画のタッチとはまた雰囲気の違った絵も数多く展示されていて、とても一度ではしっかりと味わい尽くせない濃厚な内容でした。

9人の女といろんな女

ミュージアムショップには、「池袋 タカセ」のクッキー詰め合わせや、東郷イラストのマスキングテープ、クリアファイル、ポストカードなど思わず欲しくなってしまうグッズもたくさんありました。

女しおり 以前から持っている大切なしおりです。

美術館鑑賞が終わった後は、西口の「珈琲ピース」や「喫茶ねぎし」、東口なら「らんぶる」や「西武」、「タイムス」、三丁目まで足を伸ばせば猫と戯れることのできる「カフェアルル」など多数の純喫茶がありますので、先ほどの余韻に浸るのはいかがでしょうか?

 静岡県伊東市にも東郷イラストの包装紙を使用している飲食店があるそうなので、近々旅の計画を立てなくては、と嬉しい予定が増えるのでした。

Text/難波里奈

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