2018.1.2

食べて、寝て、ぼーっとする。
そんな“正しい”年末年始は耐えられない

明けましておめでとうございます。
この年末年始、あなたはどう過ごしていますか?

何もない年末年始は、どうしても耐えられない

初日の出を見る女性の画像 by Enrico Perini

またひとつ、年が明けた。仕事や学校が始まって、ひとしきりの「明けましておめでとう」と「今年もよろしくお願いします」を言い終えてしまえば、年末年始のなんだか落ち着かない雰囲気も過ぎ、普通の1月が来る。

 私がこの原稿を書いているのは、まだ2017年の出来事で、今年の年越しは台湾の台北で過ごすことになっている。今のところ、台湾に行くこと以外は決まっていない。きっと、直前まで決まらないのだろうと思う。
日本ではない、私のことを知っている人が誰もいないところに行きたかった。インターネットを開くと、友達もそうじゃない人も、みんな誰かと楽しそうに2018年を迎えている。その光景を画面上で見ながら、いつもと変わらない時間をひとりで過ごすことに耐えられそうもなかったから、という思いも少しあった気がする。

 実は去年、つまり2016年のことだが、久々に何もない年末年始を過ごした。
私は元々音楽が好きで、毎年のようにカウントダウンのフェスやライブに足を運び、音楽と友だちと共に年を明かす。そして、ごくたまに年末年始を海外で過ごすこともあって、ここ10年くらいは常にどこかへ赴き、年を越すというのが自分の中で定番になっていた。そんな定番を打ち破り、久しぶりの寝正月を過ごしていた。

 本当に、10年ぶりくらいだった。何もない年末年始はただただ退屈で、食べて犬をなでながらテレビを見て、寝る、という日を何日も過ごしていた。
誰かを誘ってみてもよかったかもしれない。けれど、年末年始の時期に、普段と変わらない感じで友だちをどこかに呼び出してしまうのもはばかられる。こういうダラダラとした、何もない年末年始が正しい過ごし方のはずだった。でも、私には合わない。久しぶりの正しい年末年始は私にとって耐えられなかった。だから、今年は絶対にどこかへ行こうと決めていたのだった。

漠然とした将来に不安を抱えても仕方ない、けど…

「毎年、こんな気持ちになることがあるのに、耐えていけるだろうか」と思うことがある。

 今のところ、結婚をする予定もする気もない私は、きっと自分で行動をしない限り、この何もない時間を1年に1度、必ず過ごさねばいけないことになる。おまけに、テレビのない部屋で一人暮らしを始めてしまった。実家に帰るくらいなら、自分の家で、一人で過ごしていたい、と思っている。だから余計に、この時間に耐え続けることができるのだろうか、と心配になる。

 誕生日は、いい。自分が主役の1日だから、きっと一緒に過ごしてくれる人がいるかもしれない。祝福の言葉をかけてくれる人だっているはず。でも、年末年始やクリスマスは、全員に平等に訪れる。そして、家族や恋人、親しい友人がいれば、結果的に誰かしらと過ごすことが良しとされている日になっている。その誰も持ち合わせていない私は、この何もない年末年始を何年も過ごさなければならないことに、当たり前の日常として処理できる日がくるのだろうか。いつの日か、そういう日々にも慣れてしまって、何も感じなくなる日が来るのだろうか。

 ひとりでいるのは、自由で、気が楽で好きだ。自分の性質にとても合った時間の過ごし方だと思っている。私はどんなことをすれば自分を幸せへと導くことができるのか知っているし、誰かと一緒にいることや人に頼ることに自分の気持ちを左右されたりしない。たぶん、間違っていない。
けれど、「本当にこのままでいいのかな?」と考えることがある。今は、“ひとりでいること”が自分に合っていて、楽しいと思えるから、いい。けど、突然寂しくなって、どうしようも取り返のつかないことになって、その時にひとりだったら、私はどうするんだろうと思うことがある。周囲の友達は結婚をしたり子どもを生んだりしているのに、年齢は重ねているのに、私ひとりだけ10代の頃と何も変わらないライフステージにうんざりし始めてしまったらどうしたらいいのだろうか、と思うことがある。

 そうやって、将来に漠然とした不安を抱えるのはいつも何もすることがない時間で、ちょうど去年の年末年始も同じようなことを考えていた。頭の中が暇になってしまうと、いつも自分を追い詰めるようなしょうもないことばかりを考えてしまうのだろう。
私は、心配したって仕方ない将来に不安を覚えるのが怖い。解決策が何も見い出せない、どうしようもない焦りを感じるのはできるだけ避けていたい。

 今年の年末年始は、台湾へと行く。まだ何をするかは決めていないけれど、きっと色々なところへ行って、ショッピングも食事も楽しんで、忙しくなるはずだ。少し遅い自分へのクリスマスプレゼントでもあるし、1年間のひとりお疲れ様会でもある。不安や焦りを感じずに、2017年がよかったと思えるような年末年始にしたい。

Text/あたそ

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大勢で集まると誰と何を話していいのか分からない。もうひとりの私が、「このままでいいの?」と投げかける。