2018.2.28

一夜の関係が割り切れる人と
「男女の友情」は成立すると思う人との差

「成立しない」友人たちのもつれを聞く度に
私にはない経験で少しざわつく。

一夜の出来事を割り切れるのか?

男女に友情はあるのか一夜の過ちについて考えてみる画像

「今、『シンデレラ体重』っていうのが話題になってますよね」
 「え? シンデレラバスト? こいつ、貧乳なんですか?」

 私の質問に対して見当違いな回答が返ってきて、「貧乳かどうかは、お前が一番知っているじゃないか」と思った。
この時、私の目の前には、男性と女性が2人座っている。私は、この2人にかつて体の関係があったことも、女性が未だに男性にかすかな好意を持っていることを知っている。一度でもそういう関係があって、でも付き合うことはなくて、それなのにこうして同じ飲み会に参加して隣同士で座り、普通の顔をしてお酒を飲みながら私の話に笑ってくれていた。
この空間にヒヤヒヤしながら、上手く酔っ払うことができていないのは、私だけな気がしていた。「ああ。この2人は、私とはまったく別の生き物なんだろうな」と思ったのも、よく覚えている。

 目の前にいるAさんとBくんがもともと知り合いだと知ったのはつい最近のことで、別々に会うことはあっても、同じ席でお酒を飲むには初めてのことだった。
Aさんは太れない体質で、貧乳らしかった。そんなAさんとは飲んだときに、Bくんとのことを「私、一回そういう関係になっちゃってさ~」と、何も傷ついていない風に、自分のなかで減ったものが何もないように言っていた。やっぱり、別の生物なのかもしれなかった。
「いやあ、そういうのやめておいた方がいいよ」と口を挟むと、「後悔はしているんだけどね」という答えが返ってくる。後悔している関係のことを共通の友達に話してしまうのも、なんだか別世界の人みたいだ。そして、なんとなく私は、AさんはBくんのことを好きだったんだろうな、と思った。きっと本人に言うことはないのだけれど。

 それからある日、仕事帰りにAさんからいきなり「今から飲まない?」と言われ、待ち合わせ場所の安くて不味い居酒屋へと向かうと、そこにBくんもいた。足が止まる。それと同時に、時間も少しだけ止まったような気がした。顔は、たぶん大丈夫。平然を保ったいつもの私だ。いつのもように頭に残らないような下らない話ばかりをして、家に帰る。普通の飲み会だった。普通過ぎたくらい。

 もし、私がAさんの立場だったら、どうしていたんだろう。きっと、もう2度と会うこともないと思うし、連絡先も写真も消し、頭の中からすべての記憶を抹消する。そして、Bくんから紹介してもらった大して仲良くもない友達ともできるだけ会わないようにするだろうし、Bくんに教えてもらった音楽や漫画もなるべく自分から遠ざけるだろう、と思う。私にはそんな経験はないので、想像上での話でしかないけれど。

男女の関係を全く無視することはどこか違う

「男女の関係は成立するのか?」という議論がインターネットでは年に3回のペースで議論され、毎度のように答えが出ない。個人間の問題であるし、この場合の「友情」が何を指すのかは、少々曖昧な気もする。けれど、私の場合は当然「YES」だ。私が男友達を好きにならず、そして男友達も私のことを好きにならなければいいことだ。私にとってはとても簡単なことで、だから男女の友情は成立するのだと思っている。でもきっと、Bさんは私とは真逆で、男女の友情が成立しないタイプだ。

 また別の、性に奔放なタイプの友達に「そういうの、男に相手にされていない気がして嫌じゃない? 寂しくなったりしないの?」と聞かれたことがある。相手にされるとかされないとか、気にしたことのない私の目からは鱗が落ちた。友達でい続けたいのであれば、相手にされない方がいい。私が女だってこと、忘れたまま接してくれた方がずっといい。けれど、男女の友情が成立しないタイプの人は、はじめから自分が女性だということ(というか、抱くか抱かないか)が前提で、考えて動いているのだと思う。だから、食い違う。
寂しくなる夜も、もちろんある。誰かが傍にいてくれたら、それだけで気が紛れて、落ち着いた気持ちでいられるのかもしれない。けれど、男の人に寂しさを埋めてもらおうなんて思わない。私にとっては意味のないことだって、ずっと思っていた。

 けれど、目の前で何事もなかったように、仲の良さそうに笑っているAさんとBくんを見ていると、私が男の人から相手にされず、そして相手にされないことを気にしないのも、寂しさをただひたすら自分でなんとかしようとしていることも、不正解ではないけれど、少しだけ間違っている気がした。
男女間で何か間違いをしてしまったり、後悔するようなことが起こったとき、こんな風に普通に接して、普通に笑える日が、私には来ないのだろうと思う。こうして考えている時点で、私は幼いのかもしれないし、大きな社会の中でうまく生きていくことにも、あまり向いていないのかもしれない。

Text/あたそ

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15年一緒に過ごした、愛犬の死。溢れる悲しみによぎったのは、疎遠になっていく母親の存在でした。

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