2018.5.17

あなたの心がふわふわするものは?
「純喫茶とカレーのおいしい関係」
イベントを終えて

5/10に渋谷Loft9で開催された「純喫茶とカレーのおいしい関係」イベント。
おいしくて楽しい時間を振り返ります。

純喫茶とカレーのおいしい関係を探りたい

5/10に渋谷Loft9で開催された「純喫茶とカレーのおいしい関係」。ご来場下さった方がいらっしゃいましたら、お礼申し上げます。約130名の方にご参加頂き、大盛況のうちに終わって大変光栄でした。

イベント「純喫茶とカレーのおいしい関係」の看板とメニュー表

ご来場の皆さんに提供されたこの日だけの特製ビーフカレーは、3色のクリームソーダの甘みや香草酒の爽やかさとの相性も抜群でした。

特製ビーフカレーと香草酒

さて、今回はそのイベントを企画した背景や、その場で飛び出した名言、その後考えたことなどについて綴りたいと思います。

カレー研究の第一人者・水野仁輔さんと精神科医でミュージシャン・星野概念さん

水野仁輔さんと星野概念さんと難波里奈さんの3ショット 左から)水野仁輔さん、星野概念さん、そして私

食事メニューがある純喫茶ではだいたい用意されている「カレー」。家庭的な味付けのものやスパイスにこだわった本格的なもの、時には業務用のレトルトを使用している場合もあります。好みの問題はあれど、純喫茶という場所で食べるカレーは私にとってどれも美味しいものです。
(下の写真は、イベントで紹介した純喫茶のカレーです)

岐阜・可児・ミロ 岐阜・可児・ミロ(インパクトのある外観です)
京都・七条七本松・NASU 京都・七条七本松・NASU
山形・酒田・マリン 山形・酒田・マリン(看板の「マ」がイルカになってます)
滋賀・彦根・帆船 滋賀・彦根・帆船
和歌山・簑島・まるき 和歌山・簑島・まるき

そんな多くの人が好きであろう「カレー」。作る人の数だけ味も豊富ではありますが、純喫茶で提供されるカレーにはどのようなものが多いのか、どんな具が一般的なのか、珈琲と同様にカレーを食べた後の満足感や幸福感は心にどのような影響を与えているのか…。
そんなことをカレー研究の第一人者である水野仁輔さん(東京カリ~番長/air spic)とお話してみたい!と思ったことがこのイベントのきっかけでした。運の良いことに、水野さんと面識のある友人が水野さんを紹介して下さり、イベントへの参加もご快諾頂けたのです。

 水野さんとお話したいことを自分の中で煮詰めていくうちに、もう一人お話してみたい方が浮かびました。それが星野概念さんです(精神科医/ミュージシャン)

星野概念さん(精神科医/ミュージシャン)の写真 星野概念さん。イベントで振る舞おうと持ってきて下さった貴重な日本酒「悦凱陣」と一緒に。

星野さんは現在さまざまな雑誌などで執筆されている人気精神科医ですが、もう一つの顔はミュージシャン! 私との意外な接点は、星野さんがボーカルを務める「ザ・ストライカーズ」というバンドのライブを良く見に行っていたこと。
面識はあったのですが、あれから10年以上経ち、当時とはまったく違う立ち位置でお互い活動し、トークイベントで再会するとは夢にも思っていませんでした(当時、星野さんは研修医でした)。

 テーマとして、第一部「純喫茶とカレーの関係って?」、第二部「純喫茶やカレーが心にもたらす効能」とざっくりした打合せはしていましたが、当日フタを開けてみたら、それぞれに話したいことがありすぎて、話は脱線し(それがイベントの面白いところですが)、第一部はともかく、第二部が「何かに執拗に夢中になってしまう人たちの心の闇を探る」という予想外の方向に…。

周りの目は気にせず、マイペースに好きでいていい

イベント時に配ったマッチケースの写真 左:著書たち/右:特典のマッチ(淡路島・ユースの看板デザインをお借りして)

たとえば、以前から好きだった珈琲や純喫茶への私の恋心が加速した、2007年頃のこと。なぜあんなに没頭していたのか、そのきっかけは、当時勤めていた会社を辞めたいと思い始めたことでした。
人間関係などに特に不満はなかったものの、業務に慢心してしまったのか、心が活発に動かないような無心な日々を過ごしていました。一方で、それを補うようにと、仕事が終われば日に何軒もの純喫茶を巡り、ある時期はブログへ月に72本も記事を上げるほど純喫茶のことしか頭にないような状態になっていたのです。
そんな時期を経て10数年。今では、純喫茶にまつわる書籍を何冊も出版することができたり、皆さまの前で純喫茶の魅力を思う存分語れる機会を頂けるようになったのですから、あの「暗黒期」には感謝しなくてはいけません。

 現在に至った心の動きや純喫茶がもたらした効能などを、精神科医の星野さんに分析してもらったのですが、人には心がふわふわするものが大切で、それが私にとっての純喫茶だったとのこと。
さすがに1時間半のイベント内には分析は収まらず、大急ぎで終了してしまったので、また次の機会にゆっくりと伺いたいと思います。

 生まれた名言は数え切れず、中でも印象的だったのは、「麻婆豆腐はカレーですよね?」と尋ねられて戸惑ってしまったという水野さんに、「僕なら『クミンを入れてみてはいかがですか?』と提案しますね」という星野さんからの斬新な回答。
自分と違うものをはなから否定するのではなく、カレーになる何かを提案してみる優しさ。私の拙い文章では分かりにくいかもしれませんが、会場にいた誰もが星野さんの懐の深さにしみじみと感動したのでした。
他には、水野さんによる「透明カレーの開発」や「カレーの玉ねぎは長時間炒めない」、「第6ステージまでいくと写真を見ただけでどんな作り方をされたカレーか細かなところまで分かる」という話など、いつまでも聞いていたい愉快な話がたくさんでした。

 さて、このイベントを通じてお伝えしたいことはいくつもあるのですが、「何かに夢中になって周りを忘れてしまうほど没頭して、他の人に笑われてしまう時期があったとしても、ずっと続けていたら必ず何かの記録や形になるので、周りの目はあまり気にせずにマイペースに好きでいて良いのではないか」ということ。

 水野さんの好きなカレー、星野さんの好きなお酒(?)、難波の好きな純喫茶…。皆さんが好きでたまらないものはこの中にありますか?
愛情を注げるものが生活の中にあるという幸せをずっと大切にしていきたいですね。

Text/難波里奈

前回記事<巨大なレモンが出迎えてくれる、岡山の注目すべき純喫茶「サンレモン」>もチェック!
「ジーンズストリート」で有名な、児島にある純喫茶「サンレモン」は巨大なレモンのオブジェで出迎えてくれます。